生れ変わる!

極貧からの脱出。お金持ちになる方法、心と体の改善方法。

このページは自己破産体質改善を目的に書かれたエッセイです。

前頭葉と扁桃体の連携

シェークスピアは「物事に良いも悪いも無い。見方によって物事は良くも悪くもなる」と言っています。最新の脳科学がこのことを裏付けています。アメリカハーバード大学でうつ病の治療を研究しているチームが、電磁波による新しいうつ病治療で効果を挙げています。研究によれば、うつ病者の脳は、比較的本能に近いところをコントロールする脳幹部分にある恐怖や不安を感じる扁桃体という部分が暴走している状態との事です。そこを、思考を司る前頭葉部分が脳幹の本能部分で感じる恐怖や不安を制御すればうつ病は発症しないらしいのです。会話にするとこんな感じでしょうか。

 

「おいおい、ちょっと待て扁桃体君。失業をそんなに心配しなくても良い。会社は赤字かも知れないが、過去に蓄積した蓄えが10億円もある。新製品の評判も上々だ。社内で自分の評価もまずます。1年以内に失業する確立は10分の一以下だ」

 

前頭葉が扁桃体をなだめて、安心を勝ち取り脳全体のバランスが取れてきます。

 

人間の脳は10万年以上かけて、自然の脅威や、肉食獣からの侵略に敏感に反応するように出来てきました。これらの心配が無くなって僅か4000年しか経っていません。まだまだ人間の脳は原始的で心配性なのです。

 

前出のハーバード大学では、前頭葉を電気的な刺激で活性化させうつを治療するということで効果を上げています。

 

実は、この前頭葉を活性化させる方法ですが、電気的刺激以外に言葉を使う方法もあります。いわゆる心理カウンセリングによる考え方の修正です。認知行動療法とも言われています。思考(前頭葉)を使い状況を客観的に俯瞰して見れば、取り越し苦労していた心配事も状況はそんなに悪くないと認識出来る様になります。気分が良くなれば、万事前向きになり、結果暮らし向きも良くなって来る訳です。

 

シェークスピアが言う、物事の良い面を見ると、結果、それそのものが良いことになる、というのはそういう意味です。シェークスピアは脳の構造を知っていたのでしょう。

 

私利と大義

「桃李ものいわずともおのずから小蹊を成す」と中国の古典で言うがこれは、「桃は黙って立っているだけで、人が集まり、道が出来る」という意味だ。人徳のある人のもとに多くの人が集まる様を言っている。自分の利益を考えないで、他人や社会の為に尽くす人がいる。不思議な事にこのような人には、人もお金も集まる。

 

自分の事は、誰でもかわいい。しかし利他的に考えられる人は、自分の気持ちをいつもチェックしている。稲森和夫さんが第二電電を創業したときに「自分の心の中に、名誉欲や金銭欲など私利私欲がないか」徹底的にチェックし、一点の曇りもないと確信できて初めて動き出した。大義を得て、天命を確信した稲森さんにトヨタなどが賛同しKDDIの前身となる会社が創業された。

 

私利で動く人に人はついてこない。大義で動けば百万の見方がついてくる。しかし、これを実践するのは簡単ではない。

 

近視眼的に短期利益で見れば人間は私利私欲に走ってしまう。しかし、10年スパンで見れば大義と自分の私利が一致する事が分かり、世のため人の為に働く事が出来る。

 

しかし、長期的な利益を短期的な利益に優先させるのは簡単ではない。

 

相性

俳優の三浦友和さん著の「相性」が売れている。相性のいい女性と結婚出来たと語る三浦友和さんに共感が寄せられている。

 

大手広告代理店に勤める絵里(仮名)さんは、理想の相手に出会った。東大卒業で一流商社に勤め男っぽい。半年くらいつきあってみたら、相手が大変な資産家の御曹司だと分かった。結婚したいナーと思ったらプロポーズされて結婚した。

 

大手総合商社に勤める聡さん(仮名)は、女優かと思わせる美しい女性に出会った。大手広告代理店に勤める彼女はやや小柄だが、エキゾチックな顔立ちと根っからの明るさで、テレビ出演の経験もあるらしい。聞くとご両親ともテレビ局アナウンサーとのこと。デートで一緒に歩いているとみんな振り向く程の美貌の持ち主だ。自分は見た目かかっこよくないが、努力家で責任感もある。勇気を出して交際を申し込んだらOKしてくれた。つきあい初めて、彼女に夢中になり交際半年でプロポーズしたらOK、即結婚した。

 

結婚して2人はアメリカに転勤になり、現地での生活が始まった。社交的な彼女は赴任地でも人気者になり仕事の上でも役だった。程なく子供にも恵まれた。

 

妻の絵里さんが違和感を憶えはじめたのはアメリカに赴任して三ヶ月ほど経った頃だ。聡さんは、誠実で責任感が強いが、家事を一切しない。洋服も脱ぎっぱなし。お茶も決して自分では入れない。北海道生まれの絵里さんは男女平等の家庭に育ったので、江戸時代の武士の様な聡さんの振る舞いに戸惑いはじめた。

 

聡さんは、妻は家にいて家庭を守るものと思っていた。しかし自分の妻は、頻繁に子供をベビーシッターに預け社交を楽しんでいる。夕食時に妻がいないこともたびたびある。口に出しては言わないが不満がたまった。相変わらず美しい妻だとは思うが、それをいとおしいと思えなくなって来た。それと、子供が生まれてから2人は夜の夫婦の生活が途絶えてしまった。自然に相手を求める気持ちが起こらないのだ。

 

この2人、相性が悪いのである。相性が悪いと外形上どんなに条件がマッチしている様に見える夫婦でも良好な関係を維持するのは難しい。逆に相性がいい夫婦は、多少問題があっても良好な関係は長続きする。相手が美人かとかお金を持っているとかはあまり関係がない。実は人格もそんなに関係無いかも知れない。どうも遺伝子レベルの話の様な気がする。

 

筆者の独断では、世間のカップルで相性が本当にいいと思えるのは、全体の5%、まあまあいいと思えるのは、25%。相性の観点からは全体の三割が合格。残りの7割は悪い相性を我慢して一緒に暮らしているのではないか?

 

相性が悪いのなら別れれば良いと言う考え方がある。実際日本以外の先進国の離婚率は50%を超えている。日本でも熟年離婚という言葉がはやっている。

 

そもそも、結婚するまでに、お互いの相性を冷静に考える事は重要だ。その際、美男、美女、資産家、高学歴、などの好条件は判断の目を曇らせる。美人はいろいろな人が言い寄ってくるので、結婚を間違える事が多いと言ったのはココシャネルだ。

 

好条件の相性の悪い人と暮らすより、低学歴で不細工でもいいから、相性のいい相手と暮らす方が幸せになれるのは、古今東西のホームドラマや恋愛小説を読めばいやというほど分かる。

 

自我消耗

心理学者のロイFバウメイスターは自分の意志を統制したりする精神的エネルギーの量に限界があることを実験で証明した。午後3時ころに、甘いものを食べるのを我慢したグループとおやつを食べたグループに、5時頃にパズルを解いてもらう。その頃には血糖値は同じくらいになっているのに2時間前に我慢した方のグループの方が成績が悪い。また、泣ける映画を見て泣かないように我慢したグループと思いっきり泣いたグループに同様にパズルを解いてもらうと、泣くのを我慢したグループの生成が悪い。

 

我慢する事で精神エネルギーが消耗し,自我残高が減ったのだ。我慢するものの中で特に精神エネルギーを奪うのは、「食欲の我慢」「睡眠の我慢」「休息の我慢」の3つだそうだ。

 

自我消耗の考え方によれば、精神エネルギーが減った状況で意志決定する事は難しい。スタンフォード大学は、イスラエルで刑務所の仮釈放に付いて調査した。一年間で諮問された1100件の申請の内、仮釈放が決定されたのは三分の一だったが午前中の早い時間に審問を受けた受刑者の70%が仮釈放を勝ち取ったのに対して、午後の遅い時間に審問を受けた受刑者は僅か10%しか仮釈放が認められなかった。裁判官が判断疲れをしたのだ。

 

カルト宗教が信者を洗脳する為に行うのは、睡眠を奪い、空腹の時に教義を埋め込む。判断力が無い状況ではそのまま教義を受け入れてしまうらしい。

 

バウメイスターは、グルコース(甘いもの)が自我消耗を軽減したり、場合によっては完全に回復させることがあることをやはり実験で証明した。甘いものを食べると意志の力がよみがえると言うわけだ。疲れたら甘いものを食べろと昔から言うがこれは正しい。

 

質の高い意志決定は決断量の少ない午前中に行い、意志の力が弱まってきたなと思ったら甘いものを食べる。

 

しかし、ダイエット中の貴方は、ダイエットには意志の力が必要だが、意志の力には甘いものが必要というジレンマを克服しなければならない。