生れ変わる!

極貧からの脱出。お金持ちになる方法、心と体の改善方法。

このページは自己破産体質改善を目的に書かれたエッセイです。

忍耐力

ビジネスマンの能力の中でも大切な割には、軽んじられているのが忍耐力です。決断力や傾聴力は誰もが大切と認めますが、忍耐力は今ひとつ人気がないのはなぜでしょう。

 

何かを成す時に忍耐力が必要なのは、古くから言われています。中国の古典十八史略に「天下意のごとくならざる事、十に常に七、八なり」とあります。三国志も終わりのこと晋の国に羊祜という将軍がいました。長江流域に駐留し呉の動きに見ている内に攻め込むチャンスに何度か遭遇し本国に馬を飛ばしますが、そのたびに本国からは待てと指示が来てとうとうチャンスを逃してしまいます。その時に出た言葉がこの言葉です。「仕事をする上で思い通りにならないことが十の内常に7か8はある」と羊祜は漏らしたのです。

 

タレントの美輪明宏さんは、「仕事は我慢科」と言ったそうです。我慢する事が仕事の本質であると。どんなに成功してもそこには常に忍耐力が求められるのが仕事だと美和さんは見知していたのでしょう。

 

歴史上最も成功したと思われる為政者、徳川家康は、さぞ人生を思い通りに生きたのだろうと思いきや、「人生は重い荷物を背負って山を登るが如し」という言葉を残しています。幼少より苦労に耐えた、我慢人だからこそ天下を取れたのかも知れません。

 

こらえ性の無い人で成功した人を筆者は知りません。明智光秀はこらえ性が足りなかった。織田信長の横暴にもう少し我慢していたら。光秀の将来も、そして日本の歴史も一変していたに違いありません。

 

ひとりよがり

小岩の寿司屋に行った。もと銀座の有名店で板長をしていたと言うご主人、最初はなかなかの粋人と見えたので面白く話しを聞いていたが、そのうち説教モードになってきた。口調は丁寧だが、「鮨にガリをのせて食べるのは鮨職人に失礼」などといい、筆者が好む野暮だけど好きな食べ方が出来なくなった。また、寿司屋をランク付けし、高級店、中級店、庶民店、回転鮨と区切った中で、やはり高級店こそ寿司屋であり、自分は中級店で贅沢なネタはおけないけど、高級店の満足感を目指していると言っていた。かえるときに「もうこの寿司屋には二度とこないだろうな」と思いながら、中級店にしては少し高い勘定を支払った。

 

高級店の寿司屋におしゃべりな店主はいない。説教モードの店主などもってのほかと言ったのは、池波正太郎だが、同感である。客が好きに食べればよい、客が満足すればよいのである。うんちくなどいらない。

 

寿司屋なら、皆納得する、「お客が満足すればよい」という単純な真理だが、実業を行う経営者には説教モードの人が散見される。スティーブジョブスのアップルの様にコンシューマー向けの商品を作っている企業なら、お客をリードして「どう、この商品すばらしいでしょ」といったアプローチは成り立つ。しかし、企業を相手にしているいわゆるBusiness to Business の組織で説教モードはいただけない。買う方は、感情では買わない。その商品やサービスが自分や自社にどんな利益や得をもたらすかと言う損得が見合わなければければ購入行動には結びつけて考えない。

 

今から、10年以上前に、テレビ業界にコンピュータによる編集インフラを売ろうとした友人がいた。機械による編集スタジオを作るのには2億円ほどかかるが、コンピュータなら2千万円で同じ作業が出来る。作業もより簡便になる。至れり尽くせりのこの商品、日本のテレビ局にさっぱり売れなかった。友人は、「お客が馬鹿だ」と言ったが、馬鹿だったのは彼の方だ。コンピュータを導入すると多くの人が職を失う。自分や自分の部下の立場が危うくなるかもしれないのに、そんなものを導入する人は当時いなかった。

 

自分の商品やサービスは良いのに売れないと悩んでいる人は、「説教を垂れる寿司屋」になっていないか自問自答しなければならない。

 

欠乏症

パイレーツオブカリビアンの時代である。船の長旅で恐れられていたのは、壊血病でこれは船上では手に入れにくいビタミンCが不足することにより起こる病だ。ヴァスコ・ダ・ガマの時代、壊血病は原因不明の病だった。かれのインド航路発見の航海においては、180人の船員のうち100人がこの病気にかかって死亡している。

 

20世紀に入って、ビタミンCとの因果関係が明らかになってからイギリス海軍は兵隊の壊血病予防の為ライムジュースを船に常備するようになった。また、ドイツ海軍はキャベツの漬け物であるザワークラフトを常備した。アメリカ口語英語の辞書で、’limey’ と言えばイギリス人、”kraut”と言えばドイツ人を指すのはこのことに由来する。

 

バランスのいい食事をすれば、壊血病は予防できる。たくさん取る必要は無い。ほんの僅かな量でいいのだ。

 

このことは、日常生活全般を考えるに示唆に富む。全く欠乏すると、クォリティオブライフ(生活の質)を著しく損なうものとして、衣食住がある。人間、飢えると生活どころの騒ぎではない。着るものも、住むところも必要だ。しかし、この衣食住、基本的なところで満たされていれば、かなり満足出来るのが人間だ。必要以上に贅沢しても得られる満足度は逓減する。たくさんビタミンCをとっても意味が無いのと似ている。

 

マズローの欲求を参考に考えれば、このほかに、性欲、社会的認知や愛、自己実現などがあるが、どれもビタミンCの様に欠乏すれば不幸になると考えて見れば良い。人間の基本欲求を、7つに絞って見るとこの、衣、食、住、性欲、睡眠欲、愛情欲、自己実現欲の7つの内5つを90%満たしていて、残り2つは10%しか満たされていない人より、すべてに関して70%満たされている人方が幸福に違いないと言う事だ。

 

7つの欲求の内どれか一つでも高得点を取ろうとすれば、かなりのお金がかかる。美食を極めようとすれば、一財産失うかも知れないことは想像に難くない。しかし、バランスよく欲求を満たそうとすればそんなにお金がかからない事はこれも容易に想像出来る。否、むしろ愛情や自己実現などはお金とは直結していないものが重要かもしれない。

 

お金で苦労している貴方も、幸福にはバランスが大切と分かれば、金満にならなくても幸せになれると気づくことが出来る。