生れ変わる!

極貧からの脱出。お金持ちになる方法、心と体の改善方法。

このページは自己破産体質改善を目的に書かれたエッセイです。

政策と対策

対策に終始して政策の無い会社は長持ちしません。「この商品をどう売るか」、「どんな商品を開発したら儲かるか」などは対策の部類で、政策とは呼べません。政策とは例えば、「インターネットを通じて世界の情報格差を無くする」(グーグル)、とか「毎日安い商品をお客様に届ける」(ウォルマート)とか、「家電製品を通じて日本を豊かな国にする」(松下電器)などの目標の下に、出す具体策の事を言います。

 

「小さな政府と規制緩和」という目標を掲げて郵政民営化という具体的な策を実施した小泉政権は政策を持っていたと言えます。

 

「白紙の主張」という言葉があります。会社や組織の目標が例えば、「幸せになろう」とか「利益を上げよう」などあまりに一般的で誰も意見を差し挟む余地の無い主張は、白紙、つまり何も言っていないのと同じという意味です。

 

政策の為の前提となる目標はある程度個性的であって、あまり包括的ではない方がいいと思います。政府の目標が「国民皆幸せになろう」では、目標にはなりません。

 

私利と大義

「桃李ものいわずともおのずから小蹊を成す」と中国の古典で言うがこれは、「桃は黙って立っているだけで、人が集まり、道が出来る」という意味だ。人徳のある人のもとに多くの人が集まる様を言っている。自分の利益を考えないで、他人や社会の為に尽くす人がいる。不思議な事にこのような人には、人もお金も集まる。

 

自分の事は、誰でもかわいい。しかし利他的に考えられる人は、自分の気持ちをいつもチェックしている。稲森和夫さんが第二電電を創業したときに「自分の心の中に、名誉欲や金銭欲など私利私欲がないか」徹底的にチェックし、一点の曇りもないと確信できて初めて動き出した。大義を得て、天命を確信した稲森さんにトヨタなどが賛同しKDDIの前身となる会社が創業された。

 

私利で動く人に人はついてこない。大義で動けば百万の見方がついてくる。しかし、これを実践するのは簡単ではない。

 

近視眼的に短期利益で見れば人間は私利私欲に走ってしまう。しかし、10年スパンで見れば大義と自分の私利が一致する事が分かり、世のため人の為に働く事が出来る。

 

しかし、長期的な利益を短期的な利益に優先させるのは簡単ではない。

 

神の見えざる手

自然界における動物の生き残り戦略は見事だ。アフリカの草食動物は常に肉食動物に狙われている。短距離の直線では、肉食動物に追いつかれてしまう。しかし、走っているときにヒョイと方向を変えるとライオンやチーターは方向転換するのに大回りしなければならず少し引き離される。また、追いつかれそうになるとヒョイと方向を変える。肉食獣はまた大回りして、引き離される。そのうち走る距離が長くなると、肉食獣は息が続かない。草食動物の方が逃げ切ったことになる。

 

草食動物の雌は、交尾の時に、オスに追いかけられても全速力で逃げ回る。例の’ヒョイ’と方向転換して逃げ回る。足が速く方向転換が得意な遺伝子をもつ雄が雌と結ばれる事になる。

 

亀は甲羅、ハリネズミは針を進化させてきた。背中が硬くなったのも、体毛が針の様になったのも最初は偶然だったらしい。いろいろな進化を’種’として試しながらうまく行く個体が生き残っていく仕掛けだ。

 

生物学者のダーウィンと、経済学者のアダムスミスは違う世界の仕組みを似た考え方で捉えている。スミスは、経済や社会も動物の進化の様にいろいろ試行錯誤をしながらその社会や経済に適したものが、適した形で生き残り、社会全体としてバランスが取れていくと考えた。このことを「神の見えざる手」と評した。

 

世界的なコンサルタントのJマーフィーは、「会社を繁栄させるには、下手な鉄砲でも数を打たなければいけない」と言っている。ダーウィンやスミスの考え方と似ている。あちらこちらに鉄砲を撃つうちにいいビジネスが見えてくる。見えてきたらそこを進化させていく。

 

慎重な人は狙ってばかりいて、弾を撃たない傾向がある。そうして時間が経てば、進化のチャンスを失うとマーフィーは忠告している。