生れ変わる!

極貧からの脱出。お金持ちになる方法、心と体の改善方法。

このページは自己破産体質改善を目的に書かれたエッセイです。

時代が変わる予感

江戸時代末期は黒船が来航し、西洋に軍事的にも産業的にも遅れを取っていたことが明らかになり、鎖国を続けていくことが困難になっていたのは明白であった。このままでは国が立ちゆかないという切羽詰まった環境が明治維新を生んだ。敗戦もしかり。戦争に負けてアメリカに占領されたので有無を言わせず社会変革が強制された。別の意味で切羽詰まっていた。

 

今の状況も実はかなり切羽詰まって来ている。赤字国債の膨張で国が借金を払えなくなるであろう事は想像に難くない。しわ寄せは年金は福祉に向かい、今の若い世代は社会保障に期待出来なくなっている。

 

ヨーロッパでは、ギリシャがユーロ離脱を検討しているし、アメリカでは貿易赤字を吸収出来なくなっている。このような時代に変革が起こる。価値観が根柢から変わるような変革が起きる予感がする。

 

価値観の変革が起きると、今まで価値があったものが無価値になる。戦前、優秀な少年に将来は?と聞くと、「陸軍士官学校に行って陸軍大将になりたい」といい、大人はそれは素晴らしいと言ったものだ。高度成長期は東大法学部を卒業して大蔵省に入ると言えば、「すばらしい」となった。

 

では新しい時代はどの様な価値観になるのか?どうも今までの価値観が通用しない事だけは確かだ。江戸末期にいくら徳川に使えても意味はなく、戦争末期に軍隊でいくら偉くなっても意味が無いのに似ている。

 

少し昔の東大を出て大蔵省に入るとか、今なら就職人気ランキング一位の三菱UFJ銀行に入行するなどは、きっと色あせているどころか無価値になっているに違いない。

 

では、どの様な時代になるのか。将来を読み当てる事に関しては、PFドラッが-がピカイチだ。彼は新しい時代はNPOの時代と言っている。社会に貢献したり、地球に貢献したりする事が価値を持つ時代が、大変革とセットでやってくる。社会的起業家が主流の時代がやってくるとドラッが-は予想している。

 

西洋医学と東洋医学は実はそんなに違わない。

21世紀は新しいタイプの東西緊張が世界の課題になって来た。20世紀の東西緊張と言えば、資本主義と社会主義の緊張だったが、21世紀の東西緊張は西洋的価値観と東洋的(中東を含む)価値観の対立である。では本当に東洋と西洋は考え方が違うのか?一つのヒントが医療である。

 

ペニシリンは偶然発見された。発見者のフレミングが1929年ブドウ球菌の培養実験中に生じた青カビ(Penicillium notatum)の周辺で菌の生育が阻止される現象を発見した。ちなみにペニシリンの名前はアオカビの学名。ペニシリンが何故菌の発育を阻むのかはこの時解明されなかったが、菌を殺す薬として広く普及した。現在世界中で認可されて広く処方されている新薬の中にも何故その薬が効くの解明されていないものが少なく無い。原因は分からないが効くことが分かっているので使っているという点では、東洋医学で使われる薬と違わない。

 

うつ病を治す薬の多くも何故効くのかが分かっていない。そもそもうつ病自体の病因が解明されていないのだから仕方がないが、多くの薬が使われて効果を上げている。

 

よく、西洋医学は科学的で病気の原因と特定しその原因を取り除く薬を開発し効果を上げていると思われているが、実は多くの薬は、偶然発見されたり、何故効くのかが分からなかったりする。東洋医学は薬効の経験値の積み重ねで、科学的には解明されていない医療行為と思われがちだが、最近になって次々に西洋医学で漢方薬の効果が説明出来る様になって来ている。

 

医療以外の森羅万象で西洋的なアプローチ、東洋的なアプローチと対極的に語られる事柄は少なく無い。しかし、深く突き詰めるとそんなに東西のアプローチに違いは無かったりする。東洋の知恵と西洋の知恵をうまくミックスして現実に応用するのが最も生産性が高い。お互いの知恵は本質的には同じであると知ることが東西融和の決め手となる。

 

自分の意見を変えるのは難しい

ドラッガーは優れたリーダーの条件として、「自分の意見を変える事が出来る事」を上げている。マネックス証券の創業者松本大氏は以前日本のベスト経営者の一人に選ばれたが、その受賞理由は選んだ雑誌社の調査では「部下の意見をもとに自分の意見を変える事が出来る点」であった。彼の部下がそのようにコメントしたのだ。

 

人は自分の意見を変える事は難しいと知るべきだ。「私は部下の言う事に耳を傾ける」と常日頃自分で言っている人ほど疑わしい。頑固と気がついていないのは本人だけで、周りは諦めて意見しない事にしている場合が少なくない。筆者の知り合いの経営者もその一人。好人物で憎めないので不人気ではないが、きわめて頑固で経営方針に関しては自分の意見を寸分も変えない。周りもその事を知っていて、意見するのを諦めている。

 

自分は他人の意見を聞く耳を持っているかどうかに関して自分でチェックする方法がある。以下の質問に答えてみてほしい。

 

Q1.自分はいつでもタバコをやめられる。

 

Q2.自分はいつでもお酒をやめられる。

 

Q3.自分はいつでも5キロのダイエットが出来る。

 

Q4.自分はいつでもテレビを見る事を我慢できる。

 

どうだろう。上記の質問にYESと答えられた人は自分の意見を変えられる人だ。質問はどれもよい事と理性で判断した事に対して、欲望に打ち勝てるかどうかを聞いている。

 

自分の意見に固執したいというのは理性ではなく、欲望だ。タバコを吸いたい、お酒を飲みたいという欲求に似ている。私はこれを「脳の慣性の法則」と言っている。自分の尊厳(と勘違いしている)を守る為に一回口に出した事や過去の成功法則、やり始めた何かに固執するのは、脳の欲求だ。役人が途中でダム建設を止められないのも同じ理屈である。

 

アントニオガウディーが始めた、サグラダファミリアの建設を、実際に建築に携わっている人が止めるのは難しい。ましてや、施設を取り壊すのは想像を絶するほど難しい。もちろん、ガウディーの取り組みは世界的にも意義がある、しかし、実は無名の人々が始めた、意義のなさそうな事でも、始めた本人に取っては世界遺産と同じくらいの意義深い思い入れがある事が少なくない。誰しも自分が始めた何かは意義があるはずだと信じているからやめられない。それをやめる事は、自分の存在を否定するほどの苦痛が伴うことがしばしばある。

 

そのような苦痛に耐えて、組織のため、社会のために自己否定できる人をドラッガーは「優れたリーダー」と言っているのだ。