生れ変わる!

極貧からの脱出。お金持ちになる方法、心と体の改善方法。

このページは自己破産体質改善を目的に書かれたエッセイです。

災い転じて福と成す

世界最高峰の自転車レース、ツールドフランスで7連覇の偉業を成し遂げたランスアームストロングは、若い頃癌を患った。膀胱癌が肝臓や脳に転移していて治る見込みは50%以下の厳しい状況だった。その頃のアームストロングは脚力にものを言わせ強引にレースを進めるタイプで底力はあったもののなかなか結果を出せずにいた。ツールドフランスはアルプスを7日間にわたって上り下りする過酷なレースで、勝つにはチームワークと精神的成熟が要求された。

 

そんな彼を癌が襲う。抗がん剤の影響で髪の毛はすっかり抜け落ち、やっと契約できたヨーロッパの一流クラブスポンサーも彼は終わったと見放した。経済的にも行き詰まったアームストロングはこの時謙虚と思いやりという美徳を学ぶ。その後彼は癌患者を励ますため、「癌になっても自転車に乗れる」ところを見せたいと思うようになる。まだ治療中であったが、なんと自転車のトレーニングを始めたのだ。治療を続けながらトレーニングを重ねるうち、いつしか現役時代と変わらないタイムを出せるようになる自分を発見する。体重は10キロ近くも落ちていて、まだ体力は完全ではないのに。彼は精神力という見えない力を実感した。

 

アメリカの郵便局であるAPSのスポンサード(ツールのスポンサーとしては3流)を受け、当時2流のトレックという自転車メーヵーの支援を得て、3流チームでツールに挑戦する。しかし、なんとその3流チームで彼は見事ツールを制してしまう。ニュースを見た当時のクリントン大統領はアームストロングに電話し祝辞を述べたそうだ。癌で学んだ、思いやり、我慢の心、謙虚さが彼にマイヨジョーヌ(優勝者が着る黄色のサイクルジャージ)をもたらした。

 

彼は言っている。「もし癌にならなかったら自分は3流の自転車乗りで終わっていた」と。

 

いろいろな災難が襲ってきたときに、「もしかしたらこの試練は次のステップへのチャンスかも知れない」と考えて見てはどうだろう。アームストロングほどの災難に見舞われることはそんなに無い。お金の問題で悩んでいる人は、「アームストロングをおそった災難よりマシ」と気を楽にして欲しい。

 

メールの表題に付いた【重要】は誰のため?

自己都合な人は、残念な人です。メールの表題に【重要】といくら書いても相手から重要扱いされません。このようなメールは自分にとって重要なだけで相手の都合は考えていません。相手に「このメールは私にとって重要なので、必ず見て」と書いても、高圧的な感じこそすれ、読む人は真に自分に取って重要とは認識しません。ぞんざいに読んだりするものです。このように自分のことしか考えない人は、相手から、尊敬されず、重要視されず、敬遠され受け入れられません。

 

人間関係やコミュニケーションの分野で「レディネス Readiness 」という言葉があります。英語のReadinessとは準備が出来ている状態を指す言葉で、相手の言葉を受け入れる用意が出来ている状態を指します。人は、自分のことしか考えていない人物に相対したときは往々にしてReadinessの低い状態になります。Readinessの低い状態では相手からいくら正しくて貴重な事を言われても聞き入れる事はありません。

 

学者なら正しいことさえ言えば評価されますが、政治家や事業家、ビジネスマンは議会や部下、取引先に影響力を持って初めて成り立つ仕事です。政治家に成り立てだった若い頃のセオドアルーズベルトは相手に議論をふっかける事で有名でした。正しいことを言っているはずなのに自分の影響力は小さいと悩んだルーズベルトは、当時下院の議長だった先輩に悩みを打ち明けたそうです。すると、「皆、君との議論は苦痛だといっているよ」と教えてくれたそうです。ルーズベルトは意を決し傾聴力を身につける事にしました。徐々にファンを増やし、後年アメリカを代表する大統領にまで上り詰めました。

 

自分は正しいことを言っているはずなのに、何故か人心が離れる、仕事がうまくいかないと悩んでいる人は、相手は自分に対してReadiness をもっているか、自分は相手のReadinessを引き出しているかを自問自答してみて下さい。

 

もし疑問符が付いたら…。時間はかかりますが、相手の話を聞き、相手の気持ちを知る習慣を身につけ、相手の信頼を得る努力をすることです。それしか成功する道が無いことは古今東西の成功者が異口同音に言っています。