生れ変わる!

極貧からの脱出。お金持ちになる方法、心と体の改善方法。

このページは自己破産体質改善を目的に書かれたエッセイです。

結核者の小説

梶井基次郎の「檸檬」はすてきな小説だ。当時不治の病であった結核にかかり、いつも死と隣り合わせで微熱を抱えた主人公の倦怠感がよく描かれている。結核者であった梶井の頭の中の大半を結核がしめていた事は想像に難くないが、このように知的に上品な、まるで、作品の舞台である当時の丸善を思い起こさせる雰囲気を作品に吹き込んだ梶井の文学者としての集中力には敬服する。

 

正岡子規は34年の生涯にも関わらず膨大な著作を残している。当時子規と親交の会った夏目漱石は49才で他界したが、子規全集と漱石全集はどの出版社から出ているものもほぼ同じボリュームである。病床での著作とはとても思えない。

 

自分は学歴が無いからとか、お金がないからとかいろいろ言い訳する人は、正岡子規や梶井基次郎を思い出してほしい。いつも体がだるく死ととなり合わせであってもあのような偉業を成し遂げたのだ。少なくとも健康であれば、否、少なくとも生きてさえいれば道は開けると彼らの足跡に思いを馳せて見たい。

 

免疫機構は下手な鉄砲

ある菌が体内に入ると、その菌を倒す為に免疫システムが計算し、抗体が生産されると思われがちであるが、最近の研究で実は、免疫機構は「下手な鉄砲も数打ちゃ当たる」戦法を採っていることが分かって来た。その菌を倒せる可能性のある武器(抗体)を数百種類もランダムに発射して、その中で偶然に効く抗体が出るとそれを察知して、その抗体の大量生産に乗り出すらしい。

 

曖昧系の戦略である。相手となる細菌やウィルスは日進月歩でどんどん新しいモノが出てくるので、このような戦略を採らなければ戦いに勝てない。ノーベル賞を受賞した利根川進博士の研究功績である。

 

経営の分野でもこの下手な鉄砲も数打ちゃ当たる戦略を推奨する人がいる。経営破壊で有名なトムピータース、ビジョナリーカンパニーでIT経営に多大な影響を与えた、ジムコリンズなどだ。彼らによれば、世の大ヒット商品は偶然から生まれたモノが多く、下手な鉄砲を数撃った人に幸運の女神が微笑むと口を揃える。リーバイスのジーンズ、ペニシリン、スコッチテープ、などは偶然から生まれた。

 

慎重に長期計画を立てても変化の多い時代には計画倒れに終わる事の方が多い。それよりは無闇に動き回っていたら、ひょうたんから駒が出てきて成功してしまったと言う話を聞く。ひょうたんから駒を狙うにはバッターボックスに数多く立つことだ。考えているだけでは駒には出会えない。

 

セロトニンの97%は胃腸で作られる

脳内物質で注目を集めるセロトニン。その働きはまだ完全には解明されていないが、この微少ホルモンが不足すると、うつ病になることが分かっている。うつ病治療薬は脳内のセロトニンの濃度を上げる事で、うつ病を緩和する。

実はこのセロトニン、脳内で作られるのは全体の僅か3%位で、後のほとんどは胃腸で作られている事が分かって来た。また、発達医学では受精から母胎での発達の過程で、その初期において細胞分裂により脳と胃腸が一気に一体として作られる事が分かっている。

 

胃腸で作られるセロトニンが脳にどの様な影響を与えているかは解明されていないが、うつ病を胃腸の健全性との間に負の相関関係があることが証明されている。つまり・・・、胃腸の調子は心の調子に直結すると言うことになる。そう言われてみれば「お腹の具合が悪いと元気が出ない」のと実感するのは筆者だけではあるまい。

お腹の調子を整えるにはいくつかのコツがあることは、アメリカのアルバートアインシュタイン医科大学で長年内視鏡手術を手がける新谷先生がその著書で記している。

 

①砂糖を控える②乳製品を控える③野菜をなるべく生に近い形で、皮をむかずに食べる。④肉類はなるべく控える⑤夜8時以降は食事を取らない

これと似た方法で、自身のうつを克服した精神科医の宮島医師は、さらに食食を取らないか軽めにする事を進めている。

お腹具合と気分の「なさぬ仲」に気がつくと、人生がより前向きになる。