破産手続き体験談

カード会社からの請求額が払えない額に

Aさん 男性 38歳 <夫婦で破産申立>
職業:会社員(営業職・勤続3年半)/手取り25万円
家族構成:妻(パート/約5万円)と子ども3人(小5、小2、保育園)
債務総額:夫 約300万円(信販2社(ショッピング含む)、銀行1社)
    :妻 約80万円(信販1社、消費者金融1社)
毎月の返済額:夫婦合計で約10万円
住宅ローンなし(ただし住宅手当の打切り後の家賃負担は、10万円の予定)

子供の成長・長引く不況で慢性的な生活費不足・・・

会社員として一定の継続収入はあるものの、長引く不況により残業代がカット、ボーナスにも影響が出始め、住宅手当の打ち切りも決定しており、子どもの成長と共にかさんでくる教育費を思うと、近い将来、必ず一家の家計が行き詰まる不安で落ちつかない毎日でした。


妻は不足する生活費補填のためパート勤めを始めました。しかしこの不況下では出勤日数を調整されてしまうため、月平均5万円程度の収入が精一杯という現状です。赤字家計の解消にはならないのです。


ちなみに私は、独身時代から使用している信販系のクレジットカードが2枚ありました。結婚後は、車のガソリン代で利用する程度で、返済自体に何の問題もありませんでした。

 

しかし現在の慢性的な生活費不足(現金不足)に陥って以降、キャッシングはもちろん、スーパー等での買物までもクレジットカードで支払う事が日常化してしまい、毎月届くカード会社からの請求額は大変な金額でした。それでも生活を維持するためには、カードの利用を止めることができなかったのです。また、妻も私同様、買物でのカード決済が多いため、利用限度額に達するまで、あまり時間はかかりませんでした。


そんななか、平成22年6月に完全施行された「総量規制」は、借りては返すを常習化している私たち夫婦にとって大きな打撃となりました。キャッシング枠が事実上「ゼロ」になり、返済不能に陥ってしまったのです。そしてようやく、夫婦合計400万円弱の借金を抱えた現実に直面することになりました。

自己破産、という言葉が頭をよぎりました。

 

いろいろ探して、若林司法書士事務所にたどりつきました。


若林先生からの提案

夫婦ともに、クレジットカードの目立った利用がここ数年であること。かつショッピング利用分が比較的多いこと。またキャッシングに関しては、利息制限法の範囲内(金利18%以下)での利用であること。よって過払金はあまり見込めず、借金の減額が期待できない。

 

2. 「自己破産」は避け「任意整理」で分割和解の選択もある。しかし今後3年間、毎月数万円の返済費用を捻出する行為は、その頑張り自体は立派であるが、決して報われる苦労ではない。その分、将来に備えた貯蓄に充てるべきである。

 

3. 夫婦それぞれの名義で資産価値が見込める物(不動産など)が無い。例えば夫名義で自家用車を所有しているが、年式の古い車なので処分の対象にはならない。また家族名義の医療保険は掛け捨てなので解約の必要もない。要するに、「自己破産」しても日常生活に大きな損失はなく、これまで通りの生活が可能。

 

以上は一例です。様々な実例をもとに、あらゆる可能性を具体的に説明していただき、夫婦で「自己破産」をすることが決定しました。司法書士の先生が間に入ることで、返済と督促が止まる事も初めて知りました。

 

破産手続申立までの経緯とその後

破産手続申立までの経緯とその後破産申立までの数ヶ月間は、いわば若林事務所との共同作業でした。


裁判所へは合計2回、審尋(裁判官との面接)を受けに行きました。もちろんとても緊張しましたが、月に一度は事務所に行き、進行状況の報告を受けていましたので、自分自身の出来事として、最後まで「自覚」を持って取り組むことができました。

最終的に7ヶ月ほどで免責が確定し、法的に借金返済が免除されました


手続期間中、不安は無かったと言うと嘘になりますし、気持ちがふさぐことも多々ありました。それでも「自己破産」=「恥」という消極的な気持ちから脱却できたのは、辛抱強く私たち夫婦の不安を聞いてくださった若林先生と、事務職員の皆さまの力強い存在です。

私たち夫婦は、家族を守るための手段として自己破産を選択しました。前向きな気持ちに切り替えることができました

 

本当に感謝の気持ちで一杯です。ありがとうございました。