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2.3 申立書を書き始めましょう

必要添付書類がそろった方から、書類書きの準備を始めましょう。

 

地方裁判所の数だけ存在する「自己破産申立書類」ですが、ここでは一例として「さいたま地方裁判所」の書式を取り上げてみました。

 

他の裁判所でも、記入内容そのものに、大きな違いはありません。

では、裁判所でもらってきた「自己破産申立書類一式」を開封し、以下1.〜5.までの書類が入っているかを確認してください。

 

  1. 「破産手続開始・免責許可申立書」
  2. 「債権者一覧表」
  3. 「財産目録」
  4. 「家計全体の状況」
  5. 「陳述書・報告書」
  6. 「申立の経緯」(自分で作文を作ります)

 

それぞれ書類のサンプルを添付してありますので、

参考にしてください。

 

それでは始めたいと思います。

 

2.3.1【破産手続開始・免責許可申立書】

1 破産手続開始・免責許可申立書.pdf
PDFファイル 305.2 KB

記入例1 破産手続開始・免責許可申立書

 

申立人氏名

あなたのことです。旧姓での借入れがある方は、旧姓も記入してください。

 

生年月日

元号(昭和・平成)で記入しましょう。申立時点での年齢を記入します。

 

現住所

現在、住んでいる住所を記入してください。

注意点は「○丁目○番○号○○ビル○○○号」と、省略せずに記入します。住民票の住所と現住所が同じ方は、住民票の記載通りに記入してください。

 

住民票上の住所

現住所と住民票の住所が異なる方は、

「次のとおり」にチェックを入れ、住民票に記載してある住所を記入してください。

 

送達場所・送達受取人の届け出

何らかの事情により、現住所と異なる場所に書類を送ってもらう場合、または本人が書類を受け取れない場合は記入してください。

 

連絡先電話番号等

裁判所からの連絡用ですので、携帯電話の番号を記入するのがベストです。

 

FAXをお持ちでない方は記入は不要。もちろん自宅の固定電話でもかまいません。

 

日付

自己破産の申立当日の日付を記載します。申立日のメドが立ったら清書しましょう。

 

氏名をもう一度記入し、○の中に押印してください。当然シャチハタはNGです!

あとは書面右上に1500円分の収入印紙を貼付します。

収入印紙は郵便局でカンタンに購入できます。

 

 

2.3.2【債権者一覧表】

2 債権者一覧表.pdf
PDFファイル 320.5 KB

記入例2 債権者一覧表

 

各借入れ先から取り寄せた債権調査票(取引履歴)をもとに、契約日、もしくは借入れ時期が早いカード会社順に記入します。

前章でもお話しましたが、「取引履歴」の見方がわからない方は必ず各業者に連絡を取りましょう。

もしくは当サイト管理者宛まで、お気軽にメールまたはお電話してください!

 

番号

契約日、または借入れが早い借入先順に「1」から番号を記入します。

 

債権者名

前(株)後(株)に気をつけて記入しましょう(意外と間違えやすいです)。

例:ABC株式会社と株式会社ABCを間違えないように! 

 

債権者の住所

ファックス番号が不明な場合は、記入不要。

 

借入(購入)年月日

契約した日、もしくは初めて借入れした日を記入します。

 

借入(購入)総額

債権調査票(取引履歴)を確認して、分かる範囲で記入してください。

 

最後の返済日

債権調査票(取引履歴)を見て、分かる範囲で記入しましょう。

 

よく分からない方は、自分の「記憶」や預金通帳(口座引落しの場合)を確認することをお勧めします。

事情があって一度も返済していない場合は、正直に、「一度も返済していない」にチェックを入れましょう。

 

原因

該当するところにチェックを入れてください。物品購入の場合は、何を購入したのか具体的に記入してください。

(例えば自動車、浄水器、はては脂肪吸引器などなど)

 

現在の借入れ残高

債権調査票(取引履歴)に記載してある金額を記入しましょう。

引き直し計算をした場合は、引直し金額を記入してください。

 

2.3.3【財産目録】

3 財産目録.pdf
PDFファイル 1.1 MB

記入例3 財産目録

 

開始ページの一覧は、「有」or「無」かをチェックをしてください。

 

現金

手元に20万円以上の現金がある場合は記入してください。

(20万円未満の場合は記入不要)

 

預金・貯金

支店名まできちんと記入しましょう。「申立時の残額」は、申立直前の金額を記入してください。

預貯金の残額合計が20万円以上になる場合は、管財事件になる可能性があります。ご注意を。

 

公的扶助(生活保護•年金•児童手当•各種扶助など)の受給

各種扶助を受けている方は記入してください。「金額」は、1ヶ月分の受給額になります。

例えば2ヶ月に1度の各種年金については、1ヶ月分の金額を記入しましょう。 

 

退職金請求権・退職慰労金

退職金がある場合は正確な金額を記入し、その金額の「8分の1」の金額も記入してください。

8分の1にした金額が20万円以上になる場合は、管財事件になる可能性があります。ご注意を。

 

貸付金・売掛金など

貸付金等がある場合は記入してください。

金額の合計が20万円以上になる場合は、管財事件になる可能性があります。

 

積立金(社内積立・財形貯蓄・事業保証金など)

積立金等がある場合は記入してください。その「金額」は、今まで積み立てをした総額を記入します。

 

金額の合計が20万円以上になる場合、管財事件になる可能性があります。

 

保険(生命保険、傷害保険、火災保険、自動車(損害)保険など)

各種保険に加入している方は記入してください。

「解約返戻金」が20万円以上になる場合は、管財事件になる可能性があります。

 

有価証券(手形、小切手、株券、転換社債など)・ゴルフ会員権など

有価証券等がある場合は記入してください。

その「評価額」の合計が20万円以上になる場合は、管財事件になる可能性があります。

 

自動車・バイクなど

自動車やバイク(原付バイクも含む)を所有している方は記入してください。

所有権留保は、ローンを完済している方は「無」、残っている方は「有」にチェックを入れましょう。

評価額(査定額)が20万円以上になる場合は、管財事件になる可能性があります。

 

過去2年間において、購入金額が20万円以上の物品

そのような物品がある方は記入してください。

その「評価額」の合計が20万円以上になる場合は、管財事件になる可能性があります。

 

過去2年間に手放した評価額、または処分価格が20万円以上の財産

該当する方は記入してください。

 

不動産(土地、建物、マンションなど)

自分名義で所有している方は記入してください。

ちなみに時価評価額は、最低2社から受けた査定額の平均金額を記入する必要があります。

 

相続財産(遺産分割未了の場合)

該当する方は記入してください。

相続財産の合計が20万円以上になる場合は、管財事件になる可能性があります。

 

事業設備・在庫品・什器備品など

あなたが自営業者の場合は、記入してください。

 

その他、破産管財人の調査によっては回収が可能となる財産

例えば過払金です。

 

引直し計算をして、過払い金が発生している方は必ず記入してください。

 

2.3.4【家計全体の状況】

4 家計表.pdf
PDFファイル 694.0 KB

記入例4 家計表

申立て前2ヶ月分の「家計全体の状況」が必要です。

例えば3月に申立をする場合、1月と2月分の「家計全体の状況」が必要になります。同居人がいる方は、同居人全員の収支を必ず記入しましょう。

 

収入

1円単位まできっちりと記入してください。お給料は手取り額(銀行等に振り込まれた金額)を記入します。

 

支出

食費は昼食代込みで記入しましょう。ちなみに目安としては、ひとり暮らしで月3万円程度が平均です。

水道光熱費や電話料金は、1円単位まで記入しましょう(利用明細や、預金通帳を要確認)

「交際費」は、例えば勤務先の送別会や、親族の入学祝い等の詳細を記入してください。

どの項目に該当するのか不明な方は、空欄の箇所に記入すれば大丈夫です。

 

2.3.5【陳述書・報告書】

5 陳述書・報告書.pdf
PDFファイル 1.7 MB

記入例5 陳述書・報告書

 

【第1 経歴など】

健康状態

現在、なんらかの病気を患っている方は、病名を記入してください。

 

現在の職業

現在働いている方は記入しましょう。

 

過去10年の職歴、または事業歴

新しいものから記入してください。書ききれない場合は別の用紙に記入しましょう。

(「自己破産ノート」を活用)

 

結婚・離婚歴

該当する方は記入してください。

 

離婚歴がある方は、財産分与・慰謝料・教育費の取り決めの有無

こちらも同様、該当する方は記入してください.

 

【第2 家族の状況など】

家族構成(同居・別居)、同居人の状況

親族以外で同居人がいる方は、同居人についても記入する必要があります。

すでにあなたが独立していても、別に暮らしている家族がいれば要記入です。

 

現在の住居の状況

「賃貸借契約書」等を確認しながら正確に記入してください。

 

【第3 破産手続開始・免責許可申立に至った経緯】

初めて借入れをした時期、またはクレジットカードで初めて買物をした時期、その金額

「債権者一覧表」の最初に記入したものと同じはずです。確認しましょう。

 

その当時の職業・月収

給料はおおよそでかまいません。

 

借金をした理由と使いみち

生活費や被服費等、できるだけ簡潔に記入しましょう。

 

その後の状況(作文)※2.3.6で説明します。

自己破産申立をするに至った経緯(作文)を、「自己破産ノート」を参照しながら書き上げます。仕上げはA4サイズの用紙がベストです。

各カード会社から取寄せた「取引履歴」も確認しながら、あなたが借金苦に陥るまでの事情を、できるだけ細かく書き出していきます。

 

「借金を返済できないな」と思い始めた時期

裁判所に申立書を取りに行った日にしておくのがベスト。

そして該当する理由をチェックしておいてください。

 

【5で記載した時期】以降に、借金をしたり、クレジットカードを使ってしまった

該当する方は記入してください。

 

【5で記載した時期】以降に、一部の債権者に支払ったこと

あってはならないことですが、万が一該当する方は記入しましょう。

 

毎月、債権者に支払うべき金額の合計

自己破産を決意した時期の金額で大丈夫です。各カード会社への返済額の合計を記入してください。

 

税金•国民健康保険料•および国民年金の支払い状況

滞納中の方は、役所や年金事務所などに金額を確認し、その合計額を記入しましょう。

 

今回の破産手続開始・免責許可申立費用の調達方法

費用は約15,000円です(安い!)

 

予納金・収入印紙・切手の総額を記入し、該当する調達方法にチェックをいれておきましょう。

 

【第4 これまでの生活状況など】

過去10年間に、バー・スナックや風俗店などに行ったことがある?

該当する方は、そこそこ正直に記入しましょう。

 

ギャンブルをしたことがある?

やはり該当する方は、そこそこ正直に記入してください。

 

投資・投機の種類

該当する方は、思い出せる範囲で正直に記入します。

 

過去5年間に海外旅行に行った?

旅行に行かれた方は、記入しましょう。

 

過去5年間に20万円以上の物品を購入した?

該当する方は、思い出せる範囲で記入してください。

 

クレジットなどで購入した商品をお金に換えたことがある?

そのような苦い経験をお持ちの方は、記入しましょう。

 

他人の名前を無断で使ったり、氏名・生年月日・住所・借入額などを偽って借入れをしたことがある?

まさかそんな方はおられないと思いますが、該当する方は記入します。

 

【第5 訴訟等が起こされているか】

訴訟等を起こされている場合は記入してください。

 

【第6 過去に破産宣告・破産手続開始決定・再生手続開始決定を受けたことがある?】

破産が2度目以上の方は記入しましょう。

 

【第7 次の1及び2は、事業を営んでいる人、又は過去2年以内に事業を営んでいたことがある人だけ記載してください】

商品をダンピングしたことがある?

「ダンピング」とは、不当に低価格で商品を販売することです。商品をダンピングしたことがあるは記入してください。 

 

商業帳簿を記載していたか

該当する箇所にチェックを入れましょう。

2.3.6 自己破産の申立てに至った経緯を作文しましょう

具体的に「いつ」、「なぜ」、「どこから」借りたのか?の説明です。ようするに反省文と思ってください。

 

「1準備編」でまとめた「自己破産ノート」、他にはこれまで集めた資料などから過去を振りかえり、事実を書き連ねていきます。

 

「反省文」は、何文字以上(何枚以上)と特に制限はありません。じっくりと「ナゼわたしは自己破産することになったのか?」を具体的(できるだけ)に書いてください。慣れない作業に戸惑う方もいるかもしれませんが、ここ一番の踏ん張りどころです!!

 

作文のサンプルを添付いたします。

これらの作文はどれも実際に申立て書類に添付したものです。

参考にしてください。

 

作文サンプル1 男性・離婚し養育費の支払いのための借金で自己破産
6 作文①(男性/離婚).pdf
PDFファイル 398.4 KB
作文サンプル2 男性・病気治療と転職による収入減で自己破産
6 作文②(男性/病気).pdf
PDFファイル 459.8 KB
作文サンプル3 男性・転職による収入減で自己破産
6 作文③(男性/独身).pdf
PDFファイル 407.8 KB
作文サンプル4 女性・結婚前からの借金返済で結婚後に自己破産
6 作文④(女性/結婚).pdf
PDFファイル 455.7 KB
作文サンブル5 女性・住宅購入、リフォームで借金。返済できずに自己破産
6 作文⑤(女性/競売).pdf
PDFファイル 457.8 KB
作文サンプル6 女性・独身、失業で自己破産
6 作文⑥(女性/独身).pdf
PDFファイル 476.7 KB
作文サンプル7 女性・独身、生活保護受給者の自己破産
6 作文⑦(生活保護).pdf
PDFファイル 502.3 KB

2.3.7 自分用に必ずコピーをしておきましょう

コピーは2部。うち、申立時に1部を裁判所へ渡します。

 

破産申立書や原本提出の添付書類は、自分用にコピーしてください。なお、申立時にコピーした添付書類は、原本と照合(改ざんされていないか確認するため)することがありますので、必ず持参するようにしましょう。

2.3.8 封筒を用意します

破産申立書類とセットで用意します。

 

破産書類の準備に気を取られ、意外と見落がちです。しかしここはぬかりなく、債権者宛、自分宛と2パターンを準備しましょう!

 

ちなみに各裁判所によって指示が異なります。ここではさいたま地裁(ただし熊谷支部はのぞく)についての規定を紹介したいと思います。

 

債権者宛封筒

債権者一覧に記載した住所と宛名

 

80円切手は貼付けしてよいのか、各何通必要か不明な場合は裁判所に聞いてください。

 

d.債権者宛封筒.pdf
PDFファイル 179.0 KB

 

本人宛封筒

申立書に書いた住所を記入

 

80円切手は貼付けしてよいのか、各何通必要か不明な場合は裁判所に聞いてください。

(さいたま地裁熊谷支部に関しては、自分宛封筒は6通用意します)

 

本人宛封筒.pdf
PDFファイル 146.1 KB

さあ、自分で作った自己破産申立書類を小脇に抱え、あなたが向かう先は地方裁判所です!

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