生れ変わる!

極貧からの脱出。お金持ちになる方法、心と体の改善方法。

このページは自己破産体質改善を目的に書かれたエッセイです。

時代変革の時

セルフヘルプ(講談社版;『西国立志編』
セルフヘルプ(講談社版;『西国立志編』

サミュエルスマイルズの啓蒙書「セルフヘルプ(講談社版;『西国立志編』」は、19世紀に出版され本国のイギリスよりもむしろ日本で読み継がれてきた。1868年を明治維新の年とすればほぼ同じ頃に出版され、明治維新の志士達が座右の銘とした。この本は時代変革を目前に控え、人生をどの様に生きるべきかに関して、教育者の観点から述べられている。

 

この本を今読むと、ご時世にぴったりフィットするから不思議だ。たぶん140年前と同様、時代変革が近いのだと思う。当時の日本は、永く続いた幕藩体制が明治維新により近代国家に生れ変わった。その時代に於いて志ある人はどの様に生きるべきかについて、当時の最先端国家イギリスで書かれた本は大きな影響を日本の知識層に与えたに違いない。

 

さて、停滞期が続く現代の日本。明治維新の様な政治的大変換は無いのかも知れないが、変革の予感がする。社会の高齢化に伴う福祉費用の増大で抜本的な社会改革が必要とされている事や、アジア諸国の急成長で製造業立国の国是が脅かされている事に多くの国民が気づいている。

 

このような時代には明治維新で活躍したような人材、火中の栗を拾うタイプの人材が必要だが、国全体を見渡すと総じてそのような人材は少ない。特に若い層で枯渇しているのが厳しい。

 

歴史感覚磨き、新しい時代を迎え撃つ覚悟が出来れば、人は志を新たにして、人生を見つめ直すことが出来る。お金の問題を抱えている人も、時代認識に立脚した決意さえ持てれば解決への道は見えてくる。

 

力を合わせる

お金の問題を抱えている経営者で行き詰まってしまうタイプの人は、「自分が1人で何とかしなければならない」と思い、部下や家族に協力を求めることが出来ない人だ。そのような人は、良い意味で自信家が多く、今までの人生を自分1人の力で切り開いてきたに違いない。1人の力で、あるときに成功する、もしくは何回か成功する事はできるかも知れない。しかし、人間なので失敗することもあるはずだ。そして、1人の力で成功し続ける事は極めて難しい。

 

しかし、事業を継続すると言うことは成功し続ける事を要求されるものだ。長く続く会社は決して社長1人の力に寄っていない。あるときは社長が活躍し、又あるときは専務が活躍し、そしてあるときは若手が活躍して収益を得ていく。そうして会社は永続していく。

 

日本電産創業者の永守さんはこのことを身をもって知った人だ。会社の業績が横ばいの時に、当時の専務が新製品の開発し始めた。永守さんは、どう見てもうまく行きそうと思えないこの新製品の開発にストップをかけてやめさせてしまった。しかし、この専務は自宅で密かに自腹を切って開発を進め製品を完成させた。永守さんは出来た商品を見て渋々発売をOKしたが、この商品が大ヒット。日本電産の主力商品の一つになり、その後の日本電産の成長を確かなものにした。

 

この専務は日本電産の2代目の社長になる。永守さん程のカリスマ経営者でも、否、偉大な経営者だからこそ「自分1人では日本電産を大きくできなかった」と方々の講演会で訴えている。

 

部下や同僚の力を信じて悩みを共有してみる。事業発展を託してみる。経営者が思いも寄らなかった方法で新しいチャンスをつかんでくる人が必ずいるものだ。そうして、いろいろな人がスターになる会社は永く発展する。働く人も幸せになる。

 

自分の意見を変えるのは難しい

フランシスベーコン
フランシスベーコン

哲学者のフランシスベーコンは「身につく勉強とは、何かに取り組んだ事により得るものが読書より得るものより大きく、歴史を読む事で得るもの、小説などを読んで得るものよりも多い」と言っている。先日、筆者が学生時代に取った経営学のノートが出てきた。懐かしくページをめくると驚くことに経営について学ぶべき事がノートには全て網羅してあった。

 

常日頃筆者は「学生時代にはなにも学んではいない。全て社会に出てから学んだ」と公言していたが実は、学生時代にも学んでいたのだ。ただし、学んでいたにはいたが、身についていなかっただけであった。後年、会社を経営しながら学んだ会社法は面白いように身についたし深く理解出来た。実際のM&Aを行いながら学んだガバナンスの知識は、今は筆者の重要なスキルになっている。どちらも学生時代に触れていたはずだが、核心を実感出来ていなかった。

 

先日大学病院に勤める40代の心臓外科医とお話する機会があった。彼曰く、40代はまだまだ経験不足、勉強不足で50代、60代の先輩に厳しく叱責を受けることしばしばらしい。経験を積むしか医者として成長する道は無いとのこと。20代に専門教育を受け、20年間も研鑽を積みまだ未熟と言われる医業の道のりの険しさを思い知った。

 

何かを学ぶには実地が重要だ。座学や机上で学んだ知識は実地に応用してはじめて身になり腑に落ちる。未経験者が車の運転方法を座学だけで学ぶのが困難な事、初心な人が恋愛を書物だけで理解するのが非現実的な事は運転できる人、恋愛経験のある人なら想像出来るはずだ。

 

今お金の問題でいろいろ困難と格闘している人は、実はまたとない勉強をしている事は間違い無い。そう思えば、困難が貴重な教師に見えてくる。